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  S A C H I M I N E

Author:  S A C H I M I N E
世界の庭を見渡して考えたい―ほんとうにいい庭ってどんな庭?お客さまのよりよい暮らしに貢献する庭づくりをめざして、日本とイタリアの長~い歴史と深~い文化と豊か~な自然をインスピレーションの泉とします!。。。でも現実は暑さ寒さ虫と戦う植木屋の毎日でございます― (っ^-^)っ゙
ホームページはこちら:www.sachimine.com

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『山川草木』第二刷なるか。。。
もう10年も経ってしまったのか~、という感慨。

私がイタリア在住のころに、日本の庭についてイタリア語で書いた本、『山川草木』が出版されてから10年です。出版後すぐに売り切れてしまい、その後は、ほしいほしいという声は聞くものの、残念ながらもう書店にはございません、と言ってきたのです。

先日この本の編集者であり私の親友でもあるロレンツォ(このブログで何回も紹介してます!)からの連絡で、第二刷をするぞ、という知らせです。ほー、とびっくり。実は内容的な部分で、書き換えたいところはいろいろあるのですが、今日の私には、残念ながら坐ってじっくり著作活動に勤しむだけの余裕がないのです。

この本は、庭を作るうえでの自分のマニフェストだったと思えば納得できるのですが、やはり今読み返せば、机上の空論と思えてしまう部分があるのも否めない。だから、そのまま改訂しないで第二刷を出して、それをまた読んでいただくのはちょっと安らかな気はしないのです。

自分も庭を生業とする人間として、進化/深化していかなければならないから、10年前に書いた本を読んで、「あれ?」とか「今ならこうは書かないだろうなー」などということがでてきても、当たり前といえば当たり前かもしれませんね。10年前に書いた本を読み返して、「良く書けているなぁ」なんていっているようじゃ、自分が成長していないことになってしまいますもんね!!

いずれにしても、核心の部分はいまでも私の信ずるところと相違ないと思いますし、書き換えたいな、と思う部分はほんの一部ではあります。

さてさて、第二刷はいつ出るのでしょうか?

そして、ひそかに、また別の本を書いてみたいなぁ、という思いはあります。思いは。


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お知らせ | 23:05:13 | Trackback(0) | Comments(0)
好きな木
モンツァ農業学校の講座の最中、生徒さんたちの間で自分の好きな木はなにか、という話題になりました。ブナの木が好きだとかクスノキが好きだとか、みんなで言い合っていましたが、「サチミネ先生、あなたの好きな木は?」と訊かれ、迷わず、アラカシです、と。

でも、応え終わった後、はて、これは単に木として好きなのか、あるいは庭で剪定する対象として好きなのか、どうなのだろう?と疑問になりました。

たぶん、両方です。

上手い人の切ったアラカシの木を見るとほんとうに惚れ惚れするくらいいいな~と見入ってしまいますし、自然に育っているアラカシの大木を見ても、やはりいいな~と見入ってしまいます。

前にもこのブログで書きましたが、「樫に始まり樫に終わる」という師匠のコトバ(それがいつ誰によって最初に発せられたコトバなのかはしりません)はいつまでも耳の奥で響くコトバです。

得も言われぬ濃い緑、渋い幹肌、剪定の失敗を許してくれる素晴らしい萌芽力(笑)、のほほんとした春の落葉、落ち着くときには落ち着き、貫禄のある様。 鋸、鋏、手、とすべての剪定道具をバランスよく用いることのできる木。

派手さはなくて、存在感があるー。

そういえば、利休さんだって: 

樫の葉の もみぢぬからに ちりつもる 奥山寺の 道のさびしさ 

この一首(鎌倉時代の僧、慈円によって詠まれたもの)によって露地の境地を心得よと申された、といいます。この樫の木とは、アラカシ?

庭という限られたスペースのなかで、いかにも自然でいかにも粋でいかにも上手に手なずけられた風のアラカシを維持していくか、それはかなりの醍醐味。

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これはカッチカチだったアラカシを年々ほぐしていっている様子。つい先日の作業。


植木屋のたわごと | 22:31:47 | Trackback(0) | Comments(0)
2017 モンツァ農業学校の授業終了
今年のイタリア、モンツァ農業学校での授業を終えました。

気温38度にまで上がった灼熱のなかでの庭仕事!生徒さんたち、よく頑張ってくれました。

第一週目が初級講座: 日本の庭における地形、石組、枯山水、掃除について
第二週目が上級講座: 茶庭~その意味、構成、構成要素について。作庭実習。

初級講座の山場は、「石のシンポジウム」でした。演習に使った土場にゴロゴロと山にして放ってあった石を、それぞれの表情を読みながらシンポジウムという形式で一体化し、結果としてなにか神聖な趣まで作り出すことができたことに生徒さんたちもびっくり、そして感動したようです。(最初は取り壊すつもりでやったエクササイズでしたが、あまりにもよくできたので、上級コースで毎年徐々に作り上げていくことになっている「モンツァ農業学校の日本庭園」の一部として残すことに決定!)

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初級講座では、もうひとつ、3.8m角の小さな庭が3つ繋がった敷地に、山の景色、平野の景色、海岸の景色、という3連の枯山水を作りました。3つの小庭を仕切るようにして橋が架かっていたのもそのまま利用。

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山の枯山水 普通滝口となる部分はスイスの山上湖!

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平野の枯山水 龍ではなくヤモリのような造形になった!


上級講座では、茶庭についてかなり詳しく勉強しました。茶の背景にある思想、茶庭の使い方、構成要素の意味と配置の仕方(飛石、延段、蹲など)、そして茶庭の植栽など。

上に書きましたが、「モンツァ農業学校の日本庭園」をこれから毎年上級のコースで作り上げていくことになりました。今回はその出だしです。そこでまず、生徒さん個々人に庭のマスタープランを考えてもらい、図面化。そのあと皆で議論してひとつのまとまった方向性を得るまでに至りました。そして今回は
― 「石のシンポジウム」の周りの地形と植栽のあしらい
― 蹲の設置
― 枯流れ(滝口石組~中流の石橋まで)
を施工しました。

今後、この庭は毎年徐々に手を加えられてよりいっそう庭らしくなっていくでしょう。

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2週間の講座、最近ほとんど日常生活で使うことのないイタリア語で講義をするのはやはり疲れますが、理論3割、実践7割くらいなので、なんとか頭が爆発しないで済んでいる(?)というところでしょうか。

イタリアの生徒さんはとても真摯で熱心。それはほんとうに打たれるものがあります。しかも今回はスイス人、フランス人の参加者もいました。皆、好奇心と向上心で満ちています。

去年初級コースを受講して、今年上級コースを続けて受講してくれた生徒さんたちが、去年の授業を受けたあとに自分で作ったという庭の写真をいろいろ見せてくれました。彼らは日々の作庭の仕事において、いわゆる日本庭園をつくるわけではないけれど、この講座で学んだこと(例えば石組など)を確実にそれぞれ活かしてくれているのがよくわかります。うれしいです。

私たち日本人も、私たち自身のすばらしい庭文化と庭づくりの技術をもう一度見直して、若い人たちにきちんとそれを知らしめ、後世に伝えていく必要があると、このような機会を通してあらためて実感します。

講演・講義 | 06:16:24 | Trackback(0) | Comments(0)
玄関前の木漏れ日
神戸の玄関前の庭(一昨年、昨年と続けて、玄関ポーチの左右両側を施工)、手入れに伺いました。

梅雨入りの直前の眩しい初夏の太陽がソヨゴとアオダモの高木を透かして庭に心地よい木漏れ日を作っていました。

お客様も喜んで頂いているようで、なによりです。「庭のおかげで家が家らしくなりました」。

家と寄り添う、何か心のこもったやさしいお庭がご提供できれば、ほんとうに光栄なことです。===== 励みます !

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庭づくり・庭作業 | 22:03:17 | Trackback(0) | Comments(0)
スウェーデンの坪庭
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今回もなかなか濃い体験でしたー。ヨーテボリの集合住宅の中の一軒、その坪庭に「日本の庭」を作る、という仕事です。

ヨーテボリ到着後すぐに Heinz さん(今回の現地スタッフ、ガーデナーさん)の車で彼の家のお隣さんの牧場へ。牧場に散在して邪魔になっていた石を、今回のプロジェクトのために重機で動かしてまとめてくれていたようでした。必要な石の量、それぞれの形と大きさ、頭の中にある原案の庭のどこにそれらを配置するか、どう組み合わせるか、などその場で即座に決めなければならず、これは大変なプレッシャーでした。

重機を運転するおっちゃんに「この石いいね!サイン」で合図。愛想よく笑って「OK!」の合図をくれるおっちゃん。
1時間半ほどの内に石選び終了。

翌日には現場に大型クレーン車が来てくれ、屋根越しに石を入れました。

枯流れの源流にあたる部分の大ぶりな石組は割とすんなりと決まる。そして橋石や橋添石の石組も割合スムーズに。しかし流れの下流や海岸にあたる部分の石組と五葉松の周りの土留めを兼ねた石組にしばし苦労。んん、石が足りない。。。

おっちゃんにまたお願いして、牧場から追加の石を選んで持ち帰りました。

石組終了、そして植栽。

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植えた木は: 
いつのことやら知りませんが日本から持ってこられ、オランダの植木の材料屋で保持され、今回のためにスウェーデンまでたどり着いたという五葉松。高さ1.5m。
スウェーデンでは年中野外で育てるのは難しいといわれるツバキ、しかしアトリウム(坪庭)という独特の環境で、しかもジャグジーの脇であるという条件などから、可能かもね!という思い切った決断で選んだ April Snow (四月の雪)という品種のツバキ、-20度の気温にまで耐えられる、と一応言われている品種のようです。
そしてアセビ、イヌツゲ、二種のセイヨウシャクナゲを植えました。
その他下草類: スゲ、ウラハグサ、スズメノヤリ、ヒリュウシダ、など。そして、近所の森から採取してきた苔。(日本の杉苔に似た苔の他、二・三種類ありました)。

庭を取り囲むようにしてキッチン、ダイニング、居間、各部屋などがあり、そのすべてから異なった景色の庭が眺められるという、まさに贅沢な坪庭空間です。一番大事なアングルは居間からのものと設定して作庭をしました。キッチンの掃き出し窓の外には手水鉢と筧を設置しました。

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寸松庵灯篭は日本から持ち込んだもの。これは枯山水の中では岬の灯台としての役を担ってもらいますが、日々ビジネスで世界中を駆け巡っておられるお施主様にとって、これは「家」のシンボル。海に浮かび帰港する舟形石はお施主様ご自身。灯台の傍で佇んでおられるのが「女房石」。などなど、物語も添えてー。


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「想像していた以上の美しい空間になった!」とのおコトバをお施主様から頂き、感無量です。この機会を下さったお施主様本人と、段取りを引き受け、また現場で毎日一緒に頑張ってくれた Heinz さんに感謝です。

庭づくり・庭作業 | 21:57:27 | Trackback(0) | Comments(0)
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