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  S A C H I M I N E

Author:  S A C H I M I N E
世界の庭を見渡して考えたい―ほんとうにいい庭ってどんな庭?お客さまのよりよい暮らしに貢献する庭づくりをめざして、日本とイタリアの長~い歴史と深~い文化と豊か~な自然をインスピレーションの泉とします!。。。でも現実は暑さ寒さ虫と戦う植木屋の毎日でございます― (っ^-^)っ゙
ホームページはこちら:www.sachimine.com

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茶とランドスケープデザイン
数ヶ月前からお茶の稽古を始めた。抹茶という緑色粉末は30年間飲み続けてきたが、茶道というものに出逢うのはこれが始めてだ。30年間飲み続けてきたのは、ちょうど昨年の今頃亡くなった祖母が毎日のように飲んでいたからだ。彼女は裏千家の茶道を修めていたようだが、家で私が彼女のお茶のお供をするときには作法がどうのこうのとほとんど言わなかった。偶に「本当はそんな風にはせんだーで(そんな風にはしないのよ、の方言)」ともらしていたが。彼女はとにかくお茶という緑色粉末が好きだったのだろう。そして我々孫達とお茶を飲むのが至福の時間だったのかもしれない。だから作法抜きでも全然構わなかったのだろう。その彼女がホスピスで最期を迎えるちょうど二ヶ月ほど前に、私は帰国帰省した折にホスピス病棟に彼女を訪ね、クラシック音楽の流れる喫茶室で彼女に最後の抹茶を点ててあげた―。これが最後だろう、と分かっていた。しかし最後だからといって別に何の変哲もない。いつものように作法なき茶を二人で愉しんだ―。

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茶道 | 07:18:46 | Trackback(1) | Comments(0)
ジュスティ庭園 ~ ヴェローナ
ジュスティ庭園へは、アディージ川を渡る。その前に、川沿いの半円形劇場にも立ち寄った。オリジナルでは、川に対しファサードを持ち、後ろに半円形の劇場を丘の斜面に向かって築いた形態となっていた。いまでは、川に面した建屋はいくらかの円柱を残して跡形もなく、アスファルトの車道が川縁を走り、劇場遺跡は川とは分断されている。劇場の中に入ってみた。半円形の観客席を上る。それは背後の丘を登ることを意味する。客席の頂上に近いあたりで振り向いた。目の前にアディージ川がしなやかに蛇行して右から左に流れ、その先に旧市街が眺められる。ちょうど、ローマのサンタンジェロ城に登れば眼前に流れるテヴェレ川がこのように見えるだろう(この場合、テヴェレ側は左から右に流れるが)。ヴェローナは小さなローマのような様相だ。もともとはローマ人が築いた北の町であるから、そういう形容も全く外れてはいないだろう―。

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庭園 | 06:16:28 | Trackback(0) | Comments(0)
ローマのコロッセオ近くの高等学校で講義予定
我が家の下の階に住むアンジェラおばさんとセルジオおじさんは両方とも高等学校の先生だ。別々の高等学校でアンジェラさんは物理、セルジオさんは数学を教えている。このまえ彼らの家に立ち寄ったら、ちょっとした話から、セルジオさんが自分の学校の自由教科という時間に日本庭園について話してみないか、と誘ってくれた。承諾した。

さて今いろいろ構想を練っているところだが、もし自分が十七、八歳のころに自分の片田舎の高校にイタリア人のランドスケープアーキテクトが来て、イタリア庭園のことについて話をするなんていう粋な機会がもしあったとしたら、自分はどんな気持ちでこの講義を聴いただろうか。。。などと、想像している。今、イタリアは日本文化に対する興味関心が上昇中。だから生徒達もきっといろんな興味を示してくれるだろう。日本庭園について話すのが一つ。もう一つは、ランドスケープアーキテクチュアという仕事についても話さなくてはならないだろう。この仕事の内実は日本ではようやく認知されつつあるようだが、イタリアではまだまだ。イタリア人の若い人たちと面白い交流ができたらいいと思っている。後日その結果を体験談として記すことにしよう。



お知らせ | 22:15:58 | Trackback(0) | Comments(0)
パンフィリ公園の素晴らしさ
ローマのパンフィリ公園が何故すばらしいのか、それを考えてみた。まず何よりもパンフィリ公園の中では物語が絶えず生まれているように私には見える。パンフィリ公園には何度訪れても飽きることがない。その秘密は何か?その秘密は大きく分けて次の三つにあると思う。第一の秘密は人にある。第二の秘密は公園のスケールにある。第三の秘密は内に秘められたランドスケープの多様性にある、と―。

第一の秘密。パンフィリ公園は一年中人に使われる。人影の絶えることが珍しい。夏の猛暑の昼下がりでも独りで木陰で瞑想にふける女がいる。大雨の中でも傘を共にして雨煙の景色を堪能する老いた二人組がいる。そういう極端な状況でさえ公園から完全に人が消えることはめずらしい。人あっての公園なのだ。

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公園 | 18:51:20 | Trackback(1) | Comments(3)
カステル・ヴェッキオ ~ ヴェローナ
ベルガモの仕事の現場からインターシティ(IC)でヴェローナへ向かった。ベルガモからヴェローナへは110キロほどの距離で、インターシティの列車で割合のんびりした2時間の旅だ。途中ブレシャの町を通る。ポー川流れるピアヌラ大平野の北端をアルプスの足元にそって南東に一直線に走るのだ。左手にアルプスの南端の青い山並みを真近に見て進む。ガルダ湖を超えるとヴェローナに到着する。駅は郊外に設けられているため、駅から一歩足を踏み出すとすぐ前に広がるアスファルトのバス乗り場とロータリーを最初に目にすることになり、ロミオとジュリエットともカステル・ヴェッキオとも無関係な風景に出くわす。ランドスケープデザインがなによりも関係を作り出すデザインであるとするなら、こういうところにこそ知覚にも感性にも刺激的な場所の関係を作り出してほしい。ヴェローナを訪れる多くの人の最初の一歩はここから始まるのだから。ここが都市の物語の第一幕なのだから。旧市街へはどういったらいいかも分からない。関係と方向性を失った振付(コレオグラフィー)のなされていない都市景観。旧市街地ヴェローナの都市景観の評判と観光客の期待が高いだけに、それが一層残念に思われる―。

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| 22:51:19 | Trackback(0) | Comments(0)
パドヴァ講演~庭の中のランドスケープ、ランドスケープの中の庭
パドヴァでの講演が好評だったと前に書いたので、一年前の日記からの長文の引用になるがどんな講演だったのかを紹介したいと思う。
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再びパドヴァへ。アントネッラの招きで、パドヴァ大学付属歴史庭園研究会にて、日本の庭園・ランドスケープについて講演をすることになった。日本語でもさることながら、イタリア語でこんな講演をすることなど勿論初めてのことであり、最初はその課題の大きさに圧倒されそうだった。しかし、なんとかなるものだ―。これまでおよそ二ヶ月をかけて準備をしてきた。友人マリアに頼んで試聴をしてもらい、妻の職場の会議室を借りてリハーサルもした。準備は万端だ。あとは度胸を決めて、堂々と臨めばよい。そう思って朝早くローマを電車で出発した。電車の前の席には、フィレンツェへ向かう日本人女性が二人座っていた。車両には日本人が何人もいる。まるで日本を旅行しているかのようだ。彼女たちにフィレンツェの見所をいくつか推薦した後、眠気が襲ってきたのでうとうとした。

パドヴァについた―。

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講演・講義 | 06:11:50 | Trackback(0) | Comments(0)
パンフィリ公園の日曜日
長い雨が止み、今日は朝起きてみるとすでに太陽が前の家のオレンジ色の壁に反射して我が家のリビングを明るくしていた。よし、パンフィリ公園に行こう。娘と出かけた。車で15分。久しぶりの晴れ間を逃すものかと公園にやってきたローマ人で一杯だった。久しぶりの太陽は皆に歓迎されて大喜び。形を変え姿を変えて行き交う雲に邪魔しないでよと言わんばかりに公園の皆を照らそうと頑張ってくれていた。

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公園 | 07:12:19 | Trackback(0) | Comments(1)
イタリアで日本庭園を語る
イタリアで日本庭園について講演をしている。2005年3月にパドヴァで講演をしたら大変好評で、色々なところからお声がかかるようになった。2006年3月には3つ講演を行う予定。ヴェネツィアの国際会議「数学と文化」で龍安寺の石庭をテーマに。トリノ大学ランドスケープ修士課程でワークショップ。そしてローマのガーデンクラブで講演。同時に只今日本庭園についてイタリア語の本をイタリア人の友人建築家ベアトリーチェと共同で執筆中。Casadeilibri社から出版すると決まっている。この本は2006年10月頃には出版にこぎつけたい。この件についてはまた追って詳しく書きたいと思う。

お知らせ | 06:23:46 | Trackback(0) | Comments(0)