投稿日:2006-01-25 Wed
ローマのテヴェレ側の西側にジャニコロの丘という丘があるが、そこは昔からローマ人が自分たちの街を見下してその美しさに感嘆する場所だ。そして自分たちの都市を心底誇りに思う。あれがパンテオン、あれがサン・ジョヴァンニのラテラノ教会だ、などといって指差して、歴史と形と色と生活とをまるごと堪能する。そこに展開する都市風景には統制の美がある。民岡氏の本でも明らかなように、その統制の美は法的に誘導されたものだ。そうでなければ到達され得ない。夕陽が背後の西のかなたから自分を超えて自分の眼前に広がるローマの街並を照らし出すとき、その光景はあまりにも美しい。そして単に美しいというだけではない。人が住んでいるという温かみが溢れている。つまり街が体温で生きている―。
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