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  S A C H I M I N E

Author:  S A C H I M I N E
世界の庭を見渡して考えたい―ほんとうにいい庭ってどんな庭?お客さまのよりよい暮らしに貢献する庭づくりをめざして、日本とイタリアの長~い歴史と深~い文化と豊か~な自然をインスピレーションの泉とします!。。。でも現実は暑さ寒さ虫と戦う植木屋の毎日でございます― (っ^-^)っ゙
ホームページはこちら:www.sachimine.com

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庭の二種類、端的に
たまたま仕事場(奈良の庭)で出会って会話を交わした茅葺職人のおじいさん。話し始めて早々庭についていきなり的をついたコメントをしてこられた。あっぱれだ。

「庭には二種類あるように思えてしょうがないな。いかにも人間が手を加えて作りましたっちゅうしっかり植木の形をつくりこんだ庭、もうひとつは山からもってきた自然の木に人間がちょっと手を貸してやった、手助けしてやったっちゅう感じの庭や。この庭(会話中我々がいた庭)もそうやけど、おれはどうも後のほうの庭がええな。」

これは私の親方が常々剪定の仕方のちがいについて繰り返すことと同じことを実にすらっと言っている。両手鋏で刈り込んだ玉だらけの庭木がある庭。もういっぽうで、雑木林の一部を切り取ったようなさらさらとした姿の木々が植わる庭。いったいどちらがより「日本庭園」らしいのか。平安時代の庭の絵図をみると後者により近いようだ。逆に江戸時代から日本庭園の伝統として確立したのはむしろ前者のようだ。前者のタイプの庭が実は西洋の庭に影響を受けたものであるかもしれないとはよく聞く話である。その真相は如何?

庭で植物を建築的、彫刻的に使うというのは西洋では今でも主流である。山や野原の景色を切り取って庭に再現するというのは日本庭園の十八番であり、それを「人間がちょっと手助けしてやった」と言えるあたりになんとも日本の諸芸術の伝統を感じるのである。





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庭園 | 22:17:51 | Trackback(0) | Comments(3)
ドイツ・フィンランドへ庭管理の旅行
師匠牧岡先生に同伴してドイツ・フィンランドへ10日間旅行した。牧岡先生が過去に作られたお庭の定期的管理のためだ。ドイツに作られた2つの庭園はどちらも日本庭園の伝統的手法を庭の要所要所に配した素敵な庭だ。

庭Aはフランクフルト郊外のダルムスタットという町にある個人邸の庭。地下にあるご主人のスタジオの窓から展開する枯山水は石の表情といい構成といい大変すばらしい。奥山にかかった橋(実際に外の庭の中では機能する橋になっている)を経て、スタジオの窓に向って(つまり眺める主人に向って)渓流急流が石伝いにあるいは石を打ちながら勢いよく下ってくる様子が枯山水で表現されている。
枯山水

リビングからデッキに出ると、この枯山水は竹垣を隔てて地面に掘った穴に埋まっているかたちだ。枯山水の流れの途中に先ほどの石橋が渡りの機能をもって横たわる。その先に隣の敷地との境界をなす枝折戸が。
デッキから橋へ、右手下窪地に枯山水

枯山水は石橋からさらに奥(奥山をイメージしたエリア)に入り込み、そこには二つの大石で構成された滝(真の奥山)がある。この山は先ほどの穴を掘って作った枯山水下流部の掘削土を盛り上げて築山にしたもの。築山の周りにはモミジ、ヤマボウシ、ヤマザクラなどが植わり、その脇に小さな竹林、すこし離れてコブシが植わっている。小さい敷地ながら地形の変化に富み、見る視点によっていろんな景色が展開する。すばらしいの一言に尽きる。私が思うに牧岡先生の第一の傑作だ。

もう一つの庭Bはケニシュタインというこれまたフランクフルト郊外の町にある個人邸の庭。こちらは芝生の大きな庭に、日本庭園の要素が散りばめられた庭。ツゲの丸い刈り込みがエントランスに。これは正伝寺風らしい。
DSC_0082s.jpg

前庭から後ろ庭へ続く傾斜のある通路は大きな自然石のうえを歩くスロープ階段。その石の勢いと洒脱さ、重厚さは見事である。
DSC_0079s.jpg

リビングに近い外空間には枯山水があり、飛石、延段、つくばい、石灯篭とともに茶庭の構成もあわせもっている。ここにはアカマツ、モミジ、ツバキなどが植わっている。延段の脇にあるのが背丈の低い竹垣(姫竹垣と呼んでいるらしい)、極めてエレガントだ。
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アプローチの園路沿いには四つ目垣の崩しが15mほど続いている。最後にもうひとつのゲート(勝手口)の近くには、斜面を利用したもうひとつの枯山水が。これは鯉が餌を求めてよってきた光景を石で再現しているという。
DSC_0102s.jpg


「日本庭園」という既成概念から出発したような固くて物をとことん詰め込んだような日本庭園が海外に多い中で、牧岡先生の庭は「心に焼きついた風景の一端を必要なものだけ引き算で形として導き出した」というようなシャープな庭なのだ。海外にこのような日本庭園が存在するのだ。

お知らせ | 22:29:56 | Trackback(0) | Comments(2)

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