投稿日:2013-07-04 Thu
庭の土台??これから何年もかけて庭を育てていくための土台(骨組といってもいいかな)ができたということです。ここ何日かかけて、橿原市のあるお宅の庭を改修工事していました。
何十年か前に作られたという庭が家の裏側(南面)に長細くあって、そこにはなかなか立派な五葉松が植わっていましたが、水はけの悪い低い地盤に加え、これまでの剪定の仕方もあってでしょうが、なんとなく骨格のはっきりしない、パリッとしない庭でした。お施主様もこの状態をなんとかしたいとだいぶ長く思われていた様子でした。ビフォー の写真を一枚。

私のほうからの提案は、
・新しい土でしっかり盛土をしてやること。
・BEFORE の庭では植込み部と砂利敷の境界を瓦をつかって仕切ってありましたが、これを石でやり直すこと。
ぐらいで、あとはお施主様のご要望にそうように計らいました。
この縁石の石組はちょっとがんばってみました。家の長手に面した細長い庭で、各部屋から庭のいろんな部分が眺められるので、庭が絵巻物の景色のように展開するような感じにできないかなぁ、と思いつきました。狭いスペースではあるけれども、まとまりと変化の微妙なバランスのなかで石を組み合わせること、しかも石の色合いや風情が唐突に変わるのではなくて、「変わるのだけれども、つながっている」ような感じで、変化するときのリズムみたいなのを工夫すること、に努めました。とはいっても、あまり考えたわけではありません。考えたのは景色のだいたいの展開(ここが川、山、入り江、山へ至る狭い谷、海岸など)と、石の色合いの組み合わせと配置です。あとは使う分の約2割増しくらいの量の手でもって運べるほどの石(川石と山石)を現場に搬入して、そのなかから「よっしゃ!」と始めました。なによりもこういうことはスピード感だ!と自分に言い聞かせて。
さあ、それがうまくいったかどうかは。。。
アフターの写真を一枚。ほかは S A C H I M I N E ウェブページで。

出来上がった石の風景は、庭に面して眺めた時、左から、里の川、山に近い川岸、低地の池、川をのぼる、急流にさしかかる谷、滝、また川を下って海に出て入江と岬、そこから長く続く海岸(これは青の海岸から金の海岸へ)。最後のあたりは風変わりな金の石を使って、私のテーマである「ちょっとイタリアン」な海岸を。
― ちょっとこれは余談 ―
そういえば、二年ほどまえにイタリアのあるフェスタで枯山水のインスタレーションをやりたかったのに、その話が頓挫してしまったのですが、そのときのイメージが再び湧き出てきたのかもしれません。そのときはイタリアのティレニア海(ジェノバからナポリまでの海)の景色を集約した枯山水を考えていたのでした。
― 余談失礼 ―
さて、土をたくさん入れて盛り土して、もともとあった下草や苔を戻して、いくらか灌木を加えてみました。冬にまた中央に梅を植えることになっていますが、これで一応 庭の土台 はできました。
これから、です。
とりあえず、にっこりの「大満足」をお施主様からいただけたのはなによりです。
そして反省点は、次にいかさねばなりません。是多々也。
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投稿日:2013-07-01 Mon
以前このブログに再々コメントをくださった神奈川の庭師 星宏海さんは、御家族がイタリア料理店を営まれていて、星さんご本人もイタリア料理に腕をふるっていらっしゃるようですが、私もイタリアで培ったイタリア流家庭料理を自分流にさらにアレンジして紹介してみます。「ブログでイタリア料理なんか書いてみたら?」なんてそそのかす人もいたものですから。。。旬の三菜。バジル、プチトマト、かぼちゃの花。

さて、いまはなんといってもバジルが旬です。今年は春の終りに畑にバジルを植えて、こまめに芽摘みをしてやっていますが、摘めば摘むほど何日かして畑にいってみると、ますます芽をふいています。すっかり豊作です。そこで、あこがれの自家製ジェノヴェーゼ・ペストを作ってみました。ローマ時代の友人ピエロは、母上がジェノヴァの出身でしたが、よく母上自家製のジェノヴェーゼ・ペストを使ったパスタを御馳走してもらったものです。
バジルはニンニクと一緒にオリーブ油たっぷりでミキサーにかけて、あとはゆがいたジャガイモとチーズを加えるだけ。旬ってこうなんだ!というくらい新鮮です。

もうひとつ、いま旬なのが、かぼちゃの花。これも畑に植えたカボチャの花を収穫。イタリアでは fiori di zucca といって、ローマのピザ屋さんでは、アンチョビとこの fiori di zucca を乗せて焼いたピザがけっこう人気でした。(トマトソースを使わない、白いピザ pizza bianca です。)これを参考に作ってみたのが、かぼちゃの花とイワシを使ったパスタです。近くのスーパーで買ったイワシがまれにみる新鮮さで、驚き!材料の新鮮さの他は、味の決め手は、塩とニンニクです。

同じく畑でとれたプチトマト(イタリア語では、pomodorini)をワイルドにつまんで「ああ、旬!」
何年か前プーリア州(長靴イタリアの踵に近いところ)を訪れた時、レストランやトラットリアででてくるなんでもない野菜が本当においしくて感動したことがありますが、畑から直にくる旬の野菜ほど親しくしたいものは他にあまりありませんねー!
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