投稿日:2016-02-07 Sun
「生き物をあつかう仕事をされてるから・・・・」こう言われることがなにかと多い植木屋の仕事です。 で?
だから、おたくは、
目が生き生きしてますね!
生かす、ということがわかってるでしょ?
育てるということをわかっているでしょ?
世話をしなければ死んでしまう、ってお分かりでしょ?
という具合。そう言われるたびに、ドキッ。
本当にそうだろうか?
本当に生き物を扱っているという大前提を分かっているだろうか?
育てる、生かす、ということがどういうことか理解しているだろうか?
つい先日、私事ではあるのですが、そしてプライベートのことではあるのですが、娘が誕生しました。奈良県立医大病院のバースセンターというところで、(医者ではなく)助産師さんに取り上げてもらうという産み方で出産、それに私は立ち会うという経験をしました。最初は立ち会いということにかなり消極的、むしろ否定的でさえあった私でしたが、妻の希望もあり、承諾。そしてやってみると、非常にいい経験でした。なによりも、こういう時間を家族として共有できたのはすばらしいことでした。
そして良かった理由にもう一つありました。それは、助産師さんという仕事人の仕事ぶりを間近で拝見し、たいそう勉強になるというか、たいそう関心したことです。
助産師さんは、まさに生き物をあつかう仕事をされるんですね!
担当であった助産師さんは、経験豊富そうで、たいそう落ち着いていらっしゃいました。私もつい職業柄(笑・・・)、いざベビーを取り上げるまで、どう段取りをされるのか、どのように分娩室内を動かれて、道具や設備をどう準備されるのか、そんなことまで観察してしまいました。
かなりシステマティックに動かれます。道具の配置、清潔に保たなければならないものの配置や扱い方、汚れたものの扱い方、使う道具(たとえばガーゼ)の下準備の仕方、またそれを手元のどの位置に置いておくか、取り上げる役である自分の体勢と産む人の体勢との関係・・・・などなど。畳の上で産んだので、自然と助産師さんの体勢も低姿勢、それはまるで私たち植木屋が根巻きをするときのよう・・・。
さらに・・・苦しむ妻へ的確な励まし、気遣い、配慮をされていたのはもちろんのこと、妻本人の意思や望みまで尊重されていました。
母子共々の生命に対して、自分の役目をわきまえた、プロとしての、極めて冷静で落ち着いた対処とおもいやり。産まれるということを助ける役、そのプロ意識の高さと熟練さに、心底関心しました。
生き物をあつかう仕事。
植木屋の仕事はそこまで臨界(?)にたずさわるものではありませんが、同じく生き物をあつかう仕事をするものとして、このたびの助産師さんの姿はたいそう勉強になりました。我と我が仕事を顧みる貴重な機会になりました。
妻もがんばって無事産んでくれたし、娘も無事産まれてくれたし、自分も人間として感じること大だったし、仕事という面でも学ぶこと大だったし、すべて、めでたし、めでたし・・・・・
追伸。
ちなみに、去年、お仕事をご一緒させていただいた折に、大阪のウエダ庭苑の上田さんと、「生(活)かす剪定、殺す剪定」というようなことを話したことがありました。なにはともあれ、「生(活)かす剪定」をめざしたいものですね!これ、今年のキーワードです!
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