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  S A C H I M I N E

Author:  S A C H I M I N E
世界の庭を見渡して考えたい―ほんとうにいい庭ってどんな庭?お客さまのよりよい暮らしに貢献する庭づくりをめざして、日本とイタリアの長~い歴史と深~い文化と豊か~な自然をインスピレーションの泉とします!。。。でも現実は暑さ寒さ虫と戦う植木屋の毎日でございます― (っ^-^)っ゙
ホームページはこちら:www.sachimine.com

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スウェーデンの坪庭
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今回もなかなか濃い体験でしたー。ヨーテボリの集合住宅の中の一軒、その坪庭に「日本の庭」を作る、という仕事です。

ヨーテボリ到着後すぐに Heinz さん(今回の現地スタッフ、ガーデナーさん)の車で彼の家のお隣さんの牧場へ。牧場に散在して邪魔になっていた石を、今回のプロジェクトのために重機で動かしてまとめてくれていたようでした。必要な石の量、それぞれの形と大きさ、頭の中にある原案の庭のどこにそれらを配置するか、どう組み合わせるか、などその場で即座に決めなければならず、これは大変なプレッシャーでした。

重機を運転するおっちゃんに「この石いいね!サイン」で合図。愛想よく笑って「OK!」の合図をくれるおっちゃん。
1時間半ほどの内に石選び終了。

翌日には現場に大型クレーン車が来てくれ、屋根越しに石を入れました。

枯流れの源流にあたる部分の大ぶりな石組は割とすんなりと決まる。そして橋石や橋添石の石組も割合スムーズに。しかし流れの下流や海岸にあたる部分の石組と五葉松の周りの土留めを兼ねた石組にしばし苦労。んん、石が足りない。。。

おっちゃんにまたお願いして、牧場から追加の石を選んで持ち帰りました。

石組終了、そして植栽。

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植えた木は: 
いつのことやら知りませんが日本から持ってこられ、オランダの植木の材料屋で保持され、今回のためにスウェーデンまでたどり着いたという五葉松。高さ1.5m。
スウェーデンでは年中野外で育てるのは難しいといわれるツバキ、しかしアトリウム(坪庭)という独特の環境で、しかもジャグジーの脇であるという条件などから、可能かもね!という思い切った決断で選んだ April Snow (四月の雪)という品種のツバキ、-20度の気温にまで耐えられる、と一応言われている品種のようです。
そしてアセビ、イヌツゲ、二種のセイヨウシャクナゲを植えました。
その他下草類: スゲ、ウラハグサ、スズメノヤリ、ヒリュウシダ、など。そして、近所の森から採取してきた苔。(日本の杉苔に似た苔の他、二・三種類ありました)。

庭を取り囲むようにしてキッチン、ダイニング、居間、各部屋などがあり、そのすべてから異なった景色の庭が眺められるという、まさに贅沢な坪庭空間です。一番大事なアングルは居間からのものと設定して作庭をしました。キッチンの掃き出し窓の外には手水鉢と筧を設置しました。

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寸松庵灯篭は日本から持ち込んだもの。これは枯山水の中では岬の灯台としての役を担ってもらいますが、日々ビジネスで世界中を駆け巡っておられるお施主様にとって、これは「家」のシンボル。海に浮かび帰港する舟形石はお施主様ご自身。灯台の傍で佇んでおられるのが「女房石」。などなど、物語も添えてー。


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「想像していた以上の美しい空間になった!」とのおコトバをお施主様から頂き、感無量です。この機会を下さったお施主様本人と、段取りを引き受け、また現場で毎日一緒に頑張ってくれた Heinz さんに感謝です。

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庭づくり・庭作業 | 21:57:27 | Trackback(0) | Comments(0)