投稿日:2006-09-22 Fri
執筆中の日本庭園に関する本がなかなかできない。当初は11月か12月に出版しようと言っていたが、どうやら2007年4月になってしまいそうだ。確かに、イタリア語で書いているから大変なのだろうが、共著者のベアトリーチェ、出版社のロレンツォと仕事を進めながら思うのは、日本のことをイタリア語で的確に伝えるという基本的な作業が一番難しいということだ。しかも、自分のもっている書き方のスタイルをイタリア語として通用する範囲で認めてもらいたいというこちらの欲望がある。「いや、イタリア語ではこれは変なんだ」と言われても、少しイタリア語では不自然かもしれない表現でも意図と真意が分かってもらえるのならこういう言い方にして欲しい、とこちらが要求する。「僕等のイタリア語を信用しないというならお手上げだ!」などと冗談ではあるが彼らから発言が飛び出すとき、コトバや文化にまつわる作業がいかにデリケートで難しい問題であるかあらためて納得する。書きコトバではまだ議論する時間があるが、同時通訳などの話コトバでは議論する間もない一時勝負なのだから、それはさぞ大変だろう。とにもかくにも原稿は一部を除きほぼ出来上がった。写真の割り当てもかなり進んでいる。出版にたどり着いたその日の喜びを夢見て進むしかない。背伸びをしてのことだから大変なのは仕方が無いか―。
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