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  S A C H I M I N E

Author:  S A C H I M I N E
世界の庭を見渡して考えたい―ほんとうにいい庭ってどんな庭?お客さまのよりよい暮らしに貢献する庭づくりをめざして、日本とイタリアの長~い歴史と深~い文化と豊か~な自然をインスピレーションの泉とします!。。。でも現実は暑さ寒さ虫と戦う植木屋の毎日でございます― (っ^-^)っ゙
ホームページはこちら:www.sachimine.com

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枯山水のワークショップ
トリノ大学農学部ランドスケープデザイン過程の主催で4日間にわたる枯山水のワークショップがサヴィリアーノ(Savigliano)という街で行われた。会場は元修道院だったという建物で、現在はサヴィリアーノ市の市立美術館になっている建物の回廊で囲まれた中庭(chiostro)だ。奈良から庭師の牧岡一生先生が来伊し、私がローマから駆けつけ通訳兼助手として参加した。19人の参加者が8つのグループに分かれ、8つの小さな枯山水の庭を作った。参加者の多くは盆栽を趣味にするイタリア人であったためか、枯山水を作る作業にも皆が割合すっと入って取り組んでいた。


第一日目は、牧岡先生による日本庭園の歴史の講義。寝殿造式庭園、浄土式庭園、茶庭、そして枯山水という日本庭園の4つの形式についての説明。そして牧岡先生の作品を紹介した後、A3の白い紙の上に砂利と砕石を使って、簡単な枯山水の試し模型を参加者各自が作った。これをデジタルカメラで各自の設定した視点から撮影し、それをすぐに会場のコンピュータとビデオプロジェクターに接続して皆で鑑賞・批評した。ただ模型を見ているだけでは見えてこなかった石組の細部、傾き具合や気勢などが手に取るように見え、小さな枯山水の模型が大画面に映し出されると本当の大きな山水の風景に見えてくるようだった。その後一日目は、竹垣の棕櫚縄を使っての結び方の練習も行った。

第二日目からは、中庭に移って実際に石を使って枯山水を作る作業。最初に、各グループのそれぞれの自由な発想で枯山水を作ってもらった。石を選び、運び、据えつけるという作業。大変良い出来だった。先生の講評を聞いて鑑賞した。

第三日目は、第二の実習へ。今度は、山から大海にいたる一連の「山水」を8つの庭で連続して表現するというもの。各グループが一連の「山水」の各風景を担当した。最初のグループの庭には切り立った山と滝があり、途中のグループには渓流、中流、中洲のある川、下流へと続き、最後のグループは大海に浮かぶ島々の風景、というふうに。この一連の枯山水が大体終わったころ、下流部に相当する2つの枯山水の背後に竹垣を設置した。

第四日目は、この一連の枯山水の各グループごとの講評と鑑賞。午後にはこの枯山水の展覧会のオープニングパーティがあった。サヴィリアーノ市の市長さん、文化課の課長さん、トリノ大学の副学長さんなどが列席した。牧岡先生が訪問者に向かって展覧された枯山水の説明をされた。

ワークショップの間に学んだことも多いが、牧岡先生と移動の車の中で話をしながら本当に多くのことを教えてもらった。庭師の数々の体験談を聴くというこんな機会はそうそう無いだろうから、私にとっては貴重な経験だ。先生のシンプルで謙虚な人柄にも大層惹かれた。

参加者からは、来年もぜひやってくれ、とすでに主催者側へアピールがあったらしい。イタリアに枯山水は果たして根付くだろうか?日本では既に化石化しつつある枯山水だが、イタリアで新しい息を得てイタリア流の新しい枯山水が生れるのだろうか―。
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講演・講義 | 22:20:46 | Trackback(0) | Comments(0)
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