投稿日:2014-11-29 Sat
Y様の新築のお住まいの庭。秋空の下、きもちよく仕事ができました。お住まいの設計は、大阪の萩野設計工房さん。施工は京都の松彦建設工業さん。材料の多くは吉野の阪口製材さんによるものです。すばらしい家づくりのチームに、庭という立場から参加させていただき光栄です。
庭は門塀から玄関へ至るアプローチの左側に大きく開けます。居間やダイニングキッチンから眺められる庭です。ある程度の目隠しという機能を持たせつつ、しかも鬱蒼としない、清々しい植栽になるように心がけました。
今回は植栽の島と芝生の造形によって、静かな入江のような景色が描けたらいいなぁ、と思って取り組みました。庭の景色を思うとき、やっぱりあの絵をいつも思い出してしまいます。あこがれの景色―東山魁夷の唐招提寺にある絵。特に鑑真和上が船で入江に入ってこられるシーンを描いたもの。それから鎌倉時代の法然上人絵伝の絵。絵巻物に描かれる庭の景色の数々。庭の景色について考えるとき、普遍的に、これらの絵のことを想います。
庭づくりのなかで、地形づくりというのが特に面白いところです。地形の造形から生まれる緊張感、流れ、品。レイキを動かし、休め、作った地形を立って、屈んで、睨んで、またレイキを動かす。楽しい作業です。
植栽は、とくに紅葉を楽しむ庭としました。モミジ、ナツハゼ、ヤマボウシ、ニシキギ、ドウダンツツジ。
応援下さった ウエダ庭苑 様、どうもありがとうございました。

全体を眺める

中から見ると

デッキから降りる飛石階段が奥に見えます

アプローチから見る

居間に面した部分
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